老いていくこと
録画していた「プロフェッショナル仕事の流儀」を見ました。(毎週録画しています。)
今回の主人公は、85歳の旋盤職人の岩井さん。
その技術の凄さはもちろんのこと、その岩井さんの人柄や人生にも釘付けになりました。
とにかく「昔ながらの職人」という感じなのですが、とにかく熱い人。
85歳という年齢なのに、夢や前向きな心...そして「負けない!」という強い気持ちがあることに驚かされました。
岩井さんは、同じ町工場の仲間のことも大切にしているし、奥さんもとても大切にしています。
でも...コロナで仕事が激減し、奥さんは認知症に。
周りは奥さんを施設に入れることを勧め、息子さんたちも工場を閉鎖するように言います。
うん...普通周りはそう勧めるよね。
ご本人も85歳という高齢で、何度も大病を患っているし、超老々介護しながら仕事を続けるなんて難しすぎる。
加えて(コロナで)取引先からの受注もなくなっていて...
全てにおいて、多くの人が「ちょうどいい時期」だと判断すると思います。
それでも、岩井さんは番組ディレクターに
「約束したの。(奥さんを)どこもやらないよ。俺と一緒にいるんだよ。」
と伝え、新しい取引先を自分で見つけてきて仕事を続けます。
私は「老いる」という事は、心も体も弱っていくことだと思っていました。
頭も、考えることを少しずつやめていくんだと思っていました。
出来ないことが増えて、いろんなことをただ諦めていくんだと思っていました。
でも、この人は違う。
自分が岩井さんの家族だったらどう思うかは分からない。
「他人事だからそんなことだから言えるんだ」と思うかもしれない。
でも、私はただただこの人を強くまっすぐな人だと思いました。
職人としても、1人の人間としても。
ご苦労はたくさんあると思うけれど、可能な限り岩井さんが望むように....残りの人生を歩んでほしいと思いました。
そして、陰で日本のものづくりを支えている「町の職人さん」にも、
「老々介護をしている人」にも、
どうか、しっかりと人の手と支援が届きますようにと願ってやみません。
PS
12月7日(火)午前0:03~午前0:48(45分)にNHKにて再放送予定です。興味のある方はぜひ!