高齢化により刑務所でも認知症が増えている
刑務所が高齢化しているというドキュメンタリーを見ました。
そこは、主に殺人などの無期懲役の判決を受けた受刑者がいる刑務所。
現在、無期懲役は最低30年は刑務所から出られないので、受刑者の高齢化が著しいとのことでした。
そこでは、2000年には3人だった75歳以上の受刑者が、現在では43人とのことです。
高齢の受刑者は、普通の刑務作業が難しいので軽作業で時間も短いとのことでした。
体の自由が利かない要介護状態になり、他の受刑者がトイレや入浴の介助をしている人もいました。
食事も、刻み食や流動食など食べやすいように用意されていました。
何も言われず映像を見たら、そこは高齢者施設そのもの。
そんな高齢化社会の縮図のような刑務所で、現在問題になっているのが受刑者の認知症です。
刑務作業の説明を受けても近い出来ない者、自分がなぜ人を殺してしまったか分からない者、
そして自分がなぜ刑務所にいるかさえも分からない者もいました。
もうそうなってしまうと...自分の罪を反省したり、罪を償わせることなんて不可能ですよね。
そんな刑務所の現状に、娘さんを殺された遺族の方は「ボケる暇がないくらい働かせてほしい」と言っていました。
その発言をどうとらえるかは人それぞれだし、たくさん働かせたからといって認知症にならないわけではないのですが、私はその気持ちが分かる気がしました。
自分の大切な子供が殺されたら、たとえ犯人が死刑になったって気持ちが晴れることなんてありません。
それなのに犯人が認知症になって、刑務所での暮らしを苦しいさえ思わず、自分の罪も忘れて介護されながら、ただそこで生きているということを受け入れることはできないです。
刑務所内では憲法によって、受刑者も私たちと同じ医療を受けることが出来ます。
脳梗塞になっても命を救ってもらい、持病の薬も毎日ちゃんと管理下で飲ませてもらえる。
こんなこと言うと、非人道的なのは十分に分かっていますが...心情的には、無期懲役(殺人などの重大犯罪)の受刑者に治療なんて必要なんだろうか?と思います。
人間の尊厳を守るためと言うのであれば、痛みを取り除くなどの緩和ケアのみを行えばいいのでは?と私は思います。
番組が何を伝えたかったのかは分かりませんが...80代90代になった高齢者や認知症の受刑者を刑務所に入れておくことの意味や大変さを伝えるとともに、
なんとなくですが「こういうのってかわいそうじゃないですか?」みたいに感じました。実際にそう思う方もいたと思います。
でも忘れてはいけないのは、その刑務所にいる高齢者は「普通の高齢者」ではなく「殺人を犯した人が高齢になった」ということ。
そんな受刑者に人生を無理やりに奪われた人と、遺された人がいるということ。
そして番組の最後には、強盗殺人で懲役18年の受刑者が、予定より1年早く出所する様子が映し出されていました。
強盗殺人というあまりにも自分勝手な犯罪を犯しても、17年で社会復帰できるのか...と驚きました。
こういったものを見ていつも思うのは、もしも自分や自分の大切な人が被害者になったら...と想像した時に、日本の法律はあまりにも加害者に甘いということ。
軽犯罪や薬物などは「更生」も大切だと思うけれど、子供を狙った犯罪や通り魔のようなもの、強姦その他重大犯罪は、もっと厳罰化してもいいと個人的には思います。